ふと立ち止まり、
手を触れて、その物語に想いを馳せてみる。
その先にゆったりと広がるもう一つの世界。
そこはやわらかな木洩れ日で満たされていた。

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SHOW ROOM OPEN:毎月第4日曜日 13:00〜17:00
HALF MOON FURNITURE WORKSHOP (ハーフムーン ファニチャ ワークショップ)
横浜市青葉区寺家町にある家具工房。家具修理やオーダー家具を設計・製作しています。

10月の工房オープン日変更のお知らせ[ open:10/29(日) close:10/22(日) ]

毎月第4日曜日を工房オープン日としておりますが、

誠に勝手ながら、今月のオープン日は、10月29日(第5日曜日)に変更させていただきます。

こちらの都合で大変恐縮ですが、10月22日(第4日曜日)はお休みとなりますのでご了承下さい。

家具のご相談や打ち合わせをご希望の方は、事前にご予約いただければオープン日以外でも承りますので、お気軽にご連絡いただければと思います。

 

HALF MOON FURNITURE WORKSHOP
OPEN : 10月29日(日) 13:00〜17:00
 
家具のご相談や工房にご興味がある方は、是非お越しください。

お待ちしております。

 

※一部の展示品を現品販売しております。

すべて一点ものになりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

寺家回廊2017

寺家回廊2017    10/6(金)~9(月)10:30~17:00

http://www.jike-kairo.net/

 

わたしたちの工房がある寺家町には絵画・陶芸・版画・木工などの

工房やギャラリーが点在しています。

毎年開催される「寺家回廊」では、各作家のアトリエやギャラリーを

公開し作品の展示や販売、ワークショップなどを行います。

 

この寺家回廊にHALFMOON FURNITURE WORKSHOPも参加します。(10/7,8,9のみ)

里山の景色が広がるここ寺家の工房へ、この機会に是非お越しください。

期間中、HALFMOON FURNITURE WORKSHOPでは家具やスツール、小物の展示、販売をしています。

酒井俊/田中信正デュオ

先日、横浜の「上町63」に大好きなミュージシャン、酒井俊さんとピアニスト田中信正さんのデュオを聴きに行った。

俊さんのライブに行くのは3年ぶり。前回も「上町63」での田中さんとのデュオだった。これまでにもサックスの林栄一さんを入れてのトリオ編成やバンド編成など観てきているけれど、3年前に観た、わずか15人程度しか入れないこの小さなお店での田中さんとのデュオがすばらしかった。無駄なものがなにもない、声とピアノだけ。そして演奏する2人の姿。俊さんの創り出す世界を壊す要素が何一つない完璧な空間で、会場の小ささも何も感じないほどその世界に引き込まれた。

 

それ以来デュオでのライブを待ち続けてきた。約一ヶ月の全国ツアースケジュールの中でたった一日だけデュオの予定があるのを発見したのが数日前。しかも横浜で。何とか時間を作って行くことにした。

 

俊さんの表現力は、日本人として世界に誇れるものだと思う。それはトム・ウェイツやニーナ・シモンと並んでも引けを取らないレベルだと僕は思う。その世界観は映画的であり、落語的であり、風景が浮かぶ。

そして、その世界を完璧に音にできるピアニストは田中信正さんしかいないのではないかと思う。演奏技術の高さはもちろんだけれど、それだけなら他にも良いピアニストはたくさんいる。それ以上に音とその姿で世界を作り出す表現力を持つ稀有な存在だと思う。2人の繊細さがかみ合ったときの引き込まれる力がものすごい。

 

この日も俊さんの声と田中さんの出す音は相変わらず、息が合っているなんていう言い方がふさわしくないぐらい、全く同じ世界から鳴っていた。歌からピアノソロ、ピアノソロから歌がこんなにも一つの流れとしてつながっていく演奏は、2人が完全に同じ風景を描いているとしか思えないほどだった。

 

こういう小さなお店でこれほどすばらしいライブを観られることは幸せなことだと思う。だけど、これほどの才能のある人たちが、広く一般的には受け入れられていないのかと思うと複雑な気持ちにもなる。

 

takashi

ウォールナット 丸テーブル

丸テーブル ウォールナット

φ1150  H720  ウォールナット無垢材 オイル仕上げ

 

大野圭一建築設計事務所からのご依頼で、マンションのリフォーム工事に合わせてウォールナット材の丸テーブルを製作させていただいた。今回は建築家大野さんのデザイン案を元に製作方法、強度等を検討し、打ち合わせを重ねて詰めていくという進め方。

 

お客様のご要望は、方向性なく囲める一本脚の丸テーブル。大野さんのデザインの狙いは、モダンな雰囲気にリフォームした内装、インテリアに合うように、できるだけ華奢なシルエットにすること。まずそのコンセプトを理解し、共通の認識としてスタートした。製作の立場として、構造的に成り立たないのはやはり怖い。安全を見て部材を太くするのは簡単だけれど、デザインの狙いを形にするためにはそのギリギリを狙う必要がある。部材を細くするために金物で補強するのか、それとも木工的に処理するのか等、何度も話をしながら細部を検討する。大野さんは細部の形状の模型を作って持ってきてくれたり、こちらで組み立て部分の詳細な施工図を描いたり、細かいイメージを共有していく。最終的には金物を使わない、木工的な方法で強度を保てるギリギリの寸法、組み方で製作することになった。

 

丸テーブル ウォールナット

 

丸テーブル ウォールナット

 

丸テーブル ウォールナット

 

丸テーブル ウォールナット

 

違う立場の人が一緒にものを作り上げる場合、目的を共有し、お互いの立場や経験を尊重つつ、緊張感を持って向き合うことができない限り、決して良い方向には進まない。大前提としてそれぞれが誠実でなければありえない。今回はそれがとても自然な形でできて、僕にとってもとても刺激的な製作になった。

 

takashi

9月24日(日)工房オープン致します。

HALF MOON FURNITURE WORKSHOP
OPEN : 毎月第4日曜日 13:00〜17:00
 
今月も工房オープン致します。
家具のご相談や工房にご興味がある方は、是非お越しください。

お待ちしております。

 

※一部の展示品を現品販売しております。

すべて一点ものになりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

蘭越へ -及川農園 3-

日が暮れた畑には蛙の鳴き声が響いていた。仕事から帰ってきた末っ子のともよちゃんも合流して皆で火を囲む。ひんやりとした空気の中、炭火の暖かさが心地良い。真夏だというのにこの感じ、幸福感が増す。新鮮な野菜とラム肉をほお張りながら肇さんとかをりさんの話に耳を傾けていた。

 

前職はコンサルタントだった肇さん、仕事で何度か富岡に来るうちにすっかりこの地域の人々に魅せられてしまい、「たった一度の人生、この場所で虫のように生きてみたい」と移住を決めたという。かをりさんは「コンサルが農家の人にコンサルされちゃったのよ。」と笑う。

人里離れた大地を目指してではなく、人のいる場所としてこの地域を選んだという考えに納得させられた。

 

この地での初めての冬、灯油を切らしてしまい、すぐに配達は来るだろうと電話をかけるもその日に配達なんて来てくれず、文字通り死ぬほどの寒さに朝までひたすら耐えた話。雪かきを怠っていたある日、夕方家に帰ると積もりに積もった雪が窓ガラスを破り、家の中に雪崩が起きていた話。一生懸命育てたとうもろこしの収穫の朝、畑に行くとそのほとんどが狐に食べられていた話。肇さんとかをりさんがそうしていたのと同じように狐も一番良い日を待っていて、そのタイミングの判断も全く同じだったという。まわりの農家の人たちには、「狐が食べきれないぐらいたくさん植えないとだめだよ。」と笑われたという。次々に出てくるいくつもの困難や失敗の話をさらりと明るい笑い話に変えてしまう2人のエネルギーが本当に気持ち良い。

 

中でも、上の2人のお子さんたちの脱北の話は印象的だった。及川家の子供たちの間では富岡から出ることを「脱北」と呼び、小さい頃からその日を夢見ていたという。肇さんとかをりさんは、子供たちは自分の意思ではなく、この土地に連れてこられた立場だからと、ちゃんと脱北のチャンスを与えていた。最初のチャンスは高校受験。札幌の公立高校に学区外の枠で受かること。それを逃せば高校卒業の歳まで待たなければいけない。中学三年生になるとそれぞれに自分の意志で決めさせるのだという。この畑で働くも良し、受ければ受かるという地元の蘭越高校に進学するも良し、学区外の札幌の高校を目指すも良し。一番上の娘さんが目指したのはもちろん「脱北」。しかし、そもそも少ない枠の公立高校の学区外枠、思っていたほど簡単ではなかったらしく、結果は失敗。それを見ていた弟は焦った。ゲームが大好きで、それまで毎日ゲームばかりしていたという彼が、自らそれを封印、突然勉強を始めたのだそうだ。その結果、見事高校入学時の脱北に成功した。

その後、お姉さんの方も蘭越高校から国立大学合格という学校創立以来初の快挙を成し遂げ脱北した。

確固たる価値観を持ちながらも子供たちにはそれを強要することなく、自分たちの意志、価値観を育て、尊重する肇さんとかをりさんのやさしさの奥の強さに憧れる。

 

流行とか見栄とか地位とかそんなこととは全く関係のない自分たちの価値観を持ち、そこに誇りを持って生きているお二人の姿は絶対的に格好良い。長靴や頭に巻いた手ぬぐい、土のついた作業着さえお洒落に見える。

 

いつのまにか炭火も消え、冷え込んできたので小屋の中に移動して、さらに夜中まで話して過ごした。

星野道夫は言う。「人と出会い、その人間を好きになればなるほど、風景は広がりと深さを持ってくる。」と。本当にその通りだと思う。通り過ぎるだけでも十分素敵な場所だけれど、ここに来て、この場所で生きる肇さんとかをりさん、ともよちゃんと出会えて本当に良かったと思う。

 

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8月27日(日)工房オープン致します。

HALF MOON FURNITURE WORKSHOP
OPEN : 毎月第4日曜日 13:00〜17:00
 
今月も工房オープン致します。
家具のご相談や工房にご興味がある方は、是非お越しください。

お待ちしております。

 

※一部の展示品を現品販売しております。

すべて一点ものになりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

蘭越へ -及川農園 2-

蘭越町富岡、羊蹄山に向かって開けた広い畑。夕方の透き通った空気が心地良い。

すぐにビニールハウスから奥さんのかをりさんも出てきてくれた。涼やかに澄んだとても素敵な佇まいの人だ。

 

早速、今日泊めてもらう畑の小屋に案内されて、トイレの流し方、電気のスイッチの場所、寝床のロフトへの上がり方を教えてもらう。コーヒーをいただきながらしばしの休憩。

もともと馬小屋だったこの小屋は、肇さんが町にいた頃からのご友人の建築家たちが「勝手に」様々な材料を持ち込んで「好き勝手に」改修をし始め、人が泊まれるようになり、その工事は今でも続いていて、この先も永遠に続くのだそうだ。かをりさんいわく「富岡のサグラダファミリア」だと言う。

どこかから拾ってきたという大きなガラス窓が羊蹄山を望める最高の場所に取り付けられている。肇さんが話してくれたこの窓の取付の時のエピソードがなんともほのぼのとしていて良い。

この小屋の羊蹄山側の壁には大きな筋かいが入っていた。この窓を取り付けるためには筋かいを切らなければつけられない。筋かいが構造上いかに大切なものかを熟知している建築家たちはこれを切ってしまって大丈夫なものか悩み続けていたという。切ろうか、やっぱりやばいんじゃないか、やめようか、でもここに窓あったら絶対いいよね。。切るか、でも。。

それを見ていた近所の農家のおじさんがしびれを切らして近づいて来て言った。

「一級建築士が何人も集まってさっきから何やってんだ。悩んでねえで切ってみな。なんでもねえから。」

農家のおじさんの一言でようやく筋かいを切り始めた若い建築士。その間、年長の建築士たちはみんな外に避難して遠くから見守っていたという。やってみればおじさんの言う通り「なんでもなかった。」そうだ。

外には立派なピザ釜も作られている。その設計図、工事の工程表、工事記録もしっかりファイリングされて残されている。さすが建築士の仕事と思いきや、かをりさんに言わせれば

「あいつら、一級建築士のくせに、施工は全然だめなのよ。あのピザ釜見てごらん。傾いてるさ。」

と笑う。なんて気持ちの良い人なんだろう。ここに来て早々、すっかりくつろいでしまった。

 

夜はバーベキューをしようということで、みんなで畑に出てアスパラを収穫。食べごろのアスパラを刈り取りながらそのままかじってみる。生で食べて「美味しい、美味しい」と喜んでいる僕たちを見てかをりさんは

「ここではね、毎日毎日こればっかり食べるんだよ。」

と笑っている。

 

バーベキューの前に近くの温泉へ向かった。夕暮れの尾根伝いの道を走る。一枚だけ持ってきていたBUIKAのCDを聴きながら。水田に映る少し遅めの北の夕日、遠くの山々のシルエット、道路脇の白樺の木々。なんて気持ちの良い夕暮れなんだろう。ただ通り過ぎていたら綺麗な旅の風景でしかないものが、この場所で日常を送る人たちに出会えたことでより深い物語を含んだ風景に見えてくる。まださっき来たばかりだというのに僕たちは、「肇さんとかをりさんに会いに来て本当によかったね。」と話していた。

 

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チーク材のダイニングテーブル、ベンチ

チーク ダイニングテーブル

 

チーク ダイニングテーブル

ダイニングテーブル:W1250 x D750 x H700  チーク材 ウレタン塗装

 

 

ある建築家の方からご自宅用のダイニングテーブルとベンチの製作依頼をいただいた。

ご希望のサイズは、ご自宅のダイニング空間の中でのバランスを重視して必要以上の大きさは取らないサイズ設定だった。

最初はウォールナット天板に鉄脚の組み合わせでご検討いただいていたけれど、ご家族で打ち合わせにお越しいただいた時にちょうど製作中だったチーク材のTVボードを気に入っていただき、材料はチークに決定。デザイン的にはチーク材の魅力を最大限活かせるように全て木製、角脚のごくシンプルなデザイン案に変更した。シンプルなものほどほんの少しの寸法設定のミスで野暮ったいものになってしまう。板厚や部材寸法、天板と脚、脚と幕板のチリ等、ミリ単位の細かい寸法バランスに細心の注意を払って設定した。

 

チーク ダイニングテーブル ベンチ

 

引き続きチーク材でTVボードの製作をご検討いただいている。一気に全て揃える必要はないけれど、自分が本当に気に入ったものが日常生活の中に少しずつ増えていくことはとても心地よく、豊かなことだと信じている。一つ一つが繋がっていってくれるよう、丁寧に向き合っていきたい。

 

takashi

 

蘭越へ -及川農園 1-

予定時間をだいぶ過ぎて「湯ノ里デスク」を後にして、及川肇さん、かをりさんご夫妻に会いに蘭越町富丘へ。

 

及川肇さんはお兄さんのお兄さんだ。お兄さんは僕が高校生の時に個人的に英語を教えてもらっていた先生の旦那さんで、なぜかその時から「お兄さん」と呼んでいる。以来ずっとお世話になっている大好きな人だ。僕が高校生の時にお兄さんは30歳ぐらいだったからちょうど一回りぐらい年上ということで、今は50歳ぐらいか。僕ももうすでにあの頃のお兄さんの年齢よりも上になっていることを思うと不思議な感じがする。

そんなお兄さんのお兄さんが北海道で農業をはじめたという話を聞いたのもその頃だっただろうか。都会での生活をやめて、自ら選んで農家になったということに興味を持ちつつもこれまで一度もお会いする機会はなかった。

今回の北海道行きを決めたとき、是非会いに行きたいと思い、お兄さんに連絡を取ってつないでもらった。

 

 

もうこの辺りのはずなんだけど。富丘地区に入っていくと、ときどきすれ違う人の視線を感じるようになっていた。とはいっても嫌な感じは全然しない。観光客が通り抜けていくような場所ではないのだろう。単純に見慣れない車が通ったから見ているのだろうと思う。そういえば僕が以前住んだフィジーの山奥の村でもそうだった。顔見知りしかいないような土地に見知らぬ車が入ってくれば、「誰が乗っているんだ」とみんなでじろじろ見たものだった。それは悪意とか警戒心などでは全然なくて、単純な好奇心というか。自然なことだった。

 

いよいよたどり着けず、電話をかける。

「今、どの辺? まわりに何かある?」

どの辺と言われても、、 わからない。。

まわりには、、 何かあるというのか、ないというのか、、畑、畑、畑。。なにか目印、目印。

「ああ、家が2軒。。」

「どんな家?」

「壁が緑の、、」

「ああ、それなら少し戻って一本目を右に入って、しばらく走ったらトラクターが停まってる畑があるから。」

 

言われたとおりに進む。羊蹄山まで見渡せる開けた畑の間の一本道。道路わきからひょっこり羊でも出てきそうな気がしてくる。もちろんこの辺りで羊なんて飼っている人は誰もいないのだけれど。

 

前方に人影が見える。肇さんが道路に出てきて待っていてくれた。

 

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