ふと立ち止まり、
手を触れて、その物語に想いを馳せてみる。
その先にゆったりと広がるもう一つの世界。
そこはやわらかな木洩れ日で満たされていた。

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SHOW ROOM OPEN:毎月第4日曜日 13:00〜17:00
HALF MOON FURNITURE WORKSHOP (ハーフムーン ファニチャ ワークショップ)
横浜市青葉区寺家町にある家具工房。家具修理やオーダー家具を設計・製作しています。

5月27日(日)工房OPEN致します。

HALF MOON FURNITURE WORKSHOP
OPEN : 毎月第4日曜日 13:00〜17:00
 
今月も工房オープン致します。

小さなスペースですがオリジナル家具の展示をご覧いただけます。
家具のご相談や工房にご興味のある方は、お気軽にお立ち寄りください。

お待ちしております。

 

※一部の展示品を現品販売しております。

すべて一点ものになりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

掘り炬燵、ローテーブル製作

掘りごたつ ローテーブル

 

東側の大きな掃き出しの窓を開け放って庭の枝垂れ梅を眺めていた。時折、小鳥たちが飛んできて、しばらく羽を休め、また飛び立ってゆく。この家を立てる前からそこにあったという枝垂れ梅。この家の設計士はこんな眺めを想像して、ここに和室を作ったんだなということがよくわかる。

こんなにいい部屋だったのかと改めて思う。部屋そのものが良いのはわかっていただけれど、部屋に中心ができることで、ゆったりと居座ることができるようになった。これまでにも何度もこの部屋には来ていたのに味わったことのない感覚だった。

 

 

ご家族で麻雀をはじめたとのことで、和室に長時間座っていられるように堀り炬燵をつくりたいとのご相談をいただいた。

当初お客様は、和室の床を一部抜き、堀り炬燵にしてそこに自動麻雀卓を置くことを検討されていた。

でも、

と思った。この家に自動麻雀卓は絶対に似合わない。

HALF MOON設立の年に出会って以来、まるで親戚のように応援していただき、お付き合いさせてもらっているお客様。ものに対する、生活に対するこだわりの強さをよく知っている。自動麻雀卓には反対した。

もちろん、作り手のエゴで家具を提案すべきではないと常々考えている。もしこれがあくまでも麻雀中心のお話であれば、それはそれで尊重すべきだと思う。だけど、この家の生活にはどう考えてもそれは似つかわしくないと思えた。

 

結局、床を抜いての掘りこたつ工事と合わせて、ローテーブルも製作させていただくことになった。

障子を開け放つとダイニングからもつながる和室。すっきりとした、シルエットの綺麗なローテーブルが似合うと思った。

 

 

 

 

 

掘りごたつ ローテーブル

 

掘り炬燵を作って以来、麻雀だけでなく、和室で過ごす時間が多くなったという。この家を建てて5年が過ぎ、これまであまり使ってこなかった和室を楽しんでいるという。家具が入ることでその部屋がより良く生きてくれたら、それは理想的なあり方だと思う。

 

takashi

 

もったいない

もったいない、もったいない、って言っているうちに本末転倒、結局一番もったいない結果になることがよくある。

良い木材が手に入って、もったいなくて削れない。使えないまま何年も何にもならず、ただそこにあるだけ。結局もったいない。

 

そういえば僕の祖父さんもいつももったいないと言っていた。ある日、ラーメン屋で残したラーメンがもったいないとビニール袋に入れて持って帰ってきた。その後、それを誰かが食べたのかどうかは知らない。亡くなる直前まで、もったいなくて死ねないと言っていた。

 

この仕事をしていて、特にテーブルを作ったとき、お客さんからご相談を受けることが時々ある。傷つけたり、汚したりするともったいないからテーブルクロスを敷いたほうが良いのではないかと。そんな時僕はいつも、せっかくの無垢の板を覆ってしまうのはもったいないので、多少のキズや汚れがついたとしても、それも含めてそのままの木の風合いを楽しんでいただきたいとお答えしている。それは極めて一般的で一方向的な価値基準だけれど、やはり木の手触りや、使い込むことで増してゆく風合いは何にも変えがたい魅力がある。そしてその素材の魅力を存分に楽しんでいただきたいと心から思っている。それを覆ってしまうのではやはりもったいない。

 

だけど、先日僕のそんな一般的な考えを見直すことになる少し「衝撃的」な画像が送られてきた。

僕の幼なじみの友人の実家で30年以上使われてきたダイニングチェアの座面の張り替えをさせていただいた。ご家族の思い出の詰まった4脚の椅子。古いけれど木部はまだまだしっかりしていたので買い換えてしまうのはもったいない。座面と背もたれを茶色の布に張り替えてお戻しし、とても喜んでいただけた。

 

それからしばらく経って、僕の友人からその椅子の写真が送られてきた。

「これ、おかしいよね?」

という言葉とともに。

 

 

張り替えた座面と背もたれにはそれぞれ別の布が被せられていて全く見えない。常にこの状態で使っているらしく、友人は張替え後にも何度か実家に帰り、座っていたのに、張り替えたことにすらしばらく気が付かなかったという。

 

その写真を見たとき、確かに「おかしいよ。もったいないよ。」と思った。でもその直後、このまま食事をしている様子を想像してみると、その姿がなんとも可愛らしく、なんだかうれしいような、暖かな気持ちになってきた。

ひとつもおかしくなんかない。こういうのも一つの価値観として素敵なことかもしれないと、すぐに思い直した。

家具の価値って何だろうと思う。格好良さ、使い勝手や心地の良さ、思い入れ、そのものが持つ物語。いずれにしてもそれらは個人的な価値観にもとづいたもので良いのだと思う。本人にとって絶対的なものであればそれ以上のものはない。そして、本当に大切なものは常に見えるところに置くとは限らない。

そのお客様にとってこの椅子たちは、様々な思いの詰まったとても大切なもの。張り替えられて綺麗になった座面に直接座る心地良さはもちろんあるけれど、それ以上に新しく張り替えられた座面を汚さないよう、傷めないように保護して、これからまた長く使っていけるという事実の方が大切なことであり、希望なのだと思う。

どんな本や雑誌を見ても決して載っていない、どんな流行の受け売りでもない本人だけの絶対的な価値基準。素敵だと思う。

今まで全く視線を向けることがなかった方向に目を向けさせてもらったような、ハッとさせられる出来事だった。

 

takashi

4月22(日)工房オープン致します。

HALF MOON FURNITURE WORKSHOP
OPEN : 毎月第4日曜日 13:00〜17:00
 
今月も工房オープン致します。

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ナラ材ダイニングセット

ナラ ダイニングセット

dining table:1500 x 850 x h700 ナラ オイルフィニッシュ  01 chair : ナラ オイルフィニッシュ 本革張り

 

最初にお問い合わせの電話をいただいたときのことを印象深く覚えている。

去年の初夏、数日の休みを取って北海道蘭越町の及川農園を訪ねていた。

及川一家とのとても素敵な夜を過ごした翌朝、みんなで畑を見て回っていた時、僕の携帯電話が鳴った。それは工房からの転送電話だった。羊蹄山の見える広大な畑の中で、ダイニングテーブルに関するお問い合わせ。頭と体のいる場所がちぐはぐで、何を話したかもほとんど覚えていない。ただ、なんとなく長いお付き合いになるような予感がしていた。最後にお伺いしたお客様のお名前と電話番号を、メモを取る紙もペンもないまま、畑の真ん中で必死に反芻して記憶したことだけはよく覚えている。(幸いその記憶は正しかった。)

 

それから2ヵ月後の工房オープン日にふらりとご夫婦で工房にお越しいただき、初めてお会いすることになった。もともとはご自宅マンションを全面リフォームするにあたり、ダイニングを中心とした家具を探していたところ、たまたま雑誌で見かけたhalf moonのキッチンスツールが気になってお問い合わせをいただいたとのことだった。最初は、奥様に「連れてこられただけ」という風情だったご主人が、展示品の01チェアに座って、オリジナルのダイニングテーブルに着き、しばらく話していると突然「気に入った」と一言仰っていただいたのがとても嬉しく、印象的な瞬間だった。

後日、お客様のマンションにお伺いしてテーブルサイズ、樹種等を最終決定し、ダイニングテーブル、01チェア2脚、ベンチ、キッチンスツール2脚をナラ材で製作させていただくことになった。

 

お会いするたびにお2人のこだわりの強さが伝わってきた。作りにも興味を持たれており、製作中にもお2人で工房にお越しいただいた。電車移動のお二人、駅まで迎えに行きますよ、とは言ったものの、僕のボロボロのワーゲンバスに3人で横並びで乗っていただくことになることだけが申し訳ないなと少し気がかりだった。でも、そんな心配をよそに、それはそれで結構楽しんでいただけたようだった。ちょっと日常を離れて、変な車に乗って畑道を走り、竹林に囲まれた小さな工房へ。椅子の笠木が削られていくところを見て、まだ形になる前のダイニングテーブルに触れる一日。そんなこともこの家具たちを通して時々思い出す一つの風景になってくれればと思う。

 

手作り家具

 

手作り家具

 

手作り家具

 

ナラ ダイニングセット

 

納品後、奥様からこんなご報告をいただいた。夜、仕事から帰宅すると、いつもは自分の部屋にいる大学生の娘さんがダイニングにいたという。とても素敵な話だと思う。この仕事をやっていて良かったと心から思える瞬間だった。

 

引き続きソファ製作のご依頼をいただいている。こちらも独立された息子さんへの想いから始まったお話。製作がとても楽しみだ。

 

takashi

 

 

3月25日(日)工房OPEN致します。

HALF MOON FURNITURE WORKSHOP
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HOUSE PROJECT 上棟編

 

HALFMOON FURNITUREが設計デザインを担当している家が先日上棟致しました。

 

何もなかった土地に新たに家を建てること、そしてここから住まうご家族の生活がスタートすることを想像するだけでワクワクする、晴れ晴れしい気持ちになります。

 

昨年の夏にここの土地を見て、敷地の特性について考えたこと、ご家族の大切にすることをヒアリングして形にしていったことが今、職人さんの手で実物の形になりました。そして、この箱がこれから機能を持ち始めます。

 

今回の家づくりは家具や建具から、手摺や窓枠などの建築に付随する細かな部分までデザインし製作させていただきます。

先日、設計と家具製作を担当する立場として、担当の大工さんともじっくりと打ち合わせをさせて頂きました。家づくりは普段の家具作りとは異なり、色々な職人さんとの連携が大切になります。

いつも私たちがものづくりで大切にしている「対話」を今回も大切にし、それぞれの立場から意見を出し合い、チームとしての家づくりをしていきたいと思っています。

 

これからいよいよ家具作りもスタートです。

一つ一つを丁寧に、取り組んでいきます。わたしたちも完成がとても楽しみです。

 

kumiko

 

 

 

 

 

2月25日(日)工房OPEN致します。

HALF MOON FURNITURE WORKSHOP
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床の間ケヤキ板再生

ケヤキ板 リメイク

 

家を手放すことが決まったとき、生前のお母さまの言葉が気になっていたという。
「この床の間の板は良い板だから家を壊す時にはこれで何か作りなさい。」

ゼロからものを作り出すことも素敵なことだけれど、人の想いを形にして残してゆくこともとても大切な僕たちの役割だと考えている。そうやって作られたものは一冊の本のように様々な風景を想像させてくれる。


井の頭公園のすぐ脇のその古い一軒家は取り壊されるのを静かに待っているように見えた。もう随分前に結婚してここを離れて暮らしているご姉妹にとっては生まれ育った場所、たくさんの思い出が詰まった特別な家だった。
玄関の引き戸が閉まる時のガラスが鳴る音、家に入ったときの匂い、廊下の軋む感触、窓の外の空気、そういう1つ1つから僕の知らないいろんな風景が浮かぶんだろうなと想像する。

 

玄関を入ってすぐ右手の和室。その床の間には聞いていたとおり、とても立派なケヤキの板が使われていた。なるべく無駄なく使いたい。傷めないように慎重に、釘を一本一本抜きながら取り外してゆく。この家の一部を再生させて残し、受け継いでいこうというご姉妹のご意向がとてもうれしかった。

 

持ち帰った板を良く見て、どんな材料がどのくらい取れるのかをよく検討した結果、素材の表情を活かした2台のサイドテーブルに作りかえることに決め、製作はスタートした。

代わりの材料は存在しない想いの詰まった板。慎重に木取りをして、無駄なく最大限に使いたい。その製作はとてもわくわくするものだった。古く黒ずんだ板を削っていくと綺麗な木目が現れる。家を建てたときに大工さんが施した反り止めの加工の跡はあえて落とさずに残すことにした。それもこの板に刻まれた一つの歴史であり、その丁寧な仕事が、この板がこうしてここに来て、そしてこれからも生きてゆくことになった一つの大きな要因のような気がしたから。丁寧に加工された材料、そこに刻まれた風景、それを残そうというご姉妹の想い、そこにほんの少しの手を加えることで出来上がった一つの形。

 

 

 

 

 

 

 

ケヤキ板 リメイク

 

この家具があの古い家の風景へと繋がる入り口になってくれるといいと思う。

 

takashi


 

 

 

 

 

 

 

 

1月28日(日)工房OPEN致します

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