ナラ材壁面棚板

壁面棚 ナラ材

 

ほんのちょっとしたものだけれど、それがあることでものが生き生きとして、なんとなく楽しい気持ちになることがある。

今回、茅ヶ崎市のお客様からのご依頼で製作させていただいた壁面の棚板もお客様にとってそんな存在になってくれたと思う。

 

ものの素材そのものにどうしようもなく惹かれるというお客様のキッチンには、木や陶、ホーロー、鉄などで作られたポットや急須、器などお気に入りの道具たちが並んでいる。そんな道具たちの居場所を壁面に作りたいとのことから壁面に棚板を作らせていただくことになった。

棚板には特有の虎斑が出るナラの柾目材を使い、その素材を最大限に活かせるように仕上げていく。さらに鉄そのままの風合いを活かした転び止めを製作して取り付けた。

 

それ自体には複雑な構造も飾りもない、たった2枚の棚板。壁面に取り付け、ものを並べてみるとそのものたちの存在が際立ち、生き生きとして見えた。

後でお客様から聞いた話によると、取り付けを終えて僕が帰った後、棚にものを並べながら、うれしすぎて本当に小躍りしてしまったのだとか。

 

自然の素材に、その魅力を最大限に活かすための最小限の手を加える。それが空間の中でものの居場所をつくり、空間全体が生き生きとして、そこで過ごす時間が少し楽しいものになってくれたら。それはとても豊かなものづくりの形なのではないかと思う。

シンプルだけれど、とても印象深い製作になった。

 

takashi

 

 

キッチン収納 ナラ材

キッチン収納 ナラ

 

これまで既製品のラックを並べて使っていたキッチン背面の壁一面をリフォームされたいとのことで、カウンター収納と吊り収納製作のご依頼をいただいた。

 

下段のカウンター収納は向かいのキッチンと合わせた白、天板から上は全てナラ材で製作した。

下段には収納するものに合わせた寸法の引き出しを7杯、壁面にはオープンの棚板を2枚設置、さらに吊り収納の下にはスチールでラックを製作させていただいた。

 

取り付け初日、大工さんの山川さんと一緒に現場に入り、一度壁を剥がして下地を作り直して家具を取り付けていった。

 

キッチン収納 ナラ

 

後日、タイル屋さんが壁面にタイルを貼った後、壁面の棚板とスチールラックを取り付けて完成。

 

キッチン収納

 

リビングから正面に見えるキッチン裏の壁面をリフォームすることでリビング空間全体の雰囲気が大きく変わった。生活観に蓋をするための収納ではなく、あるべきものに然るべき居場所をつくるような家具になってくれたらいいと思う。

 

takashi

 

 

キッチン背面収納

キッチン収納 ウォールナット

W1800 x D450 x H850  ウォールナット材 ウレタンクリア塗装

 

磯子区のお客様からのご依頼で、マンションのキッチン背面にカウンター収納を製作させていただいた。

大まかなご要望を持ってご夫婦で工房にお越しいただいたところからスタートし、その内容を踏まえてデザイン案を作成。その後、材料やガラスサンプル、取手等、なるべくイメージが湧きやすいようにお見せできるものを準備して、より具体的な打ち合わせへと進んでいった。

 

何度かお会いしていくうちにお客様の好みや、どういう部分を大切にされているかが自然と理解できるようになってくる。それを僕たちの価値観とすり合わせながら、細部の寸法設定、木目の選び方、真鍮の仕上げ方など細かい部分を検討していくことで、この出会いの中でしか生まれ得ないものになっていく。

 

キッチン収納 ウォールナット

 

 

さらに、リビングにTVボードを自作されるとのことで、その板の製作を追加でご依頼頂いた。ウォールナットで統一されているインテリアに合わせつつもイメージが硬くなりすぎないように、節の有る少しワイルドな雰囲気のウォールナット無垢材で製作させていただいた。

 

節有りウォールナット

 

これからこの家具たちが日常の中で機能しながら、ご夫婦の生活に心地よく寄り添う存在になってくれたらいいなと思う。

 

takashi

 

HOUSE PROJECT 1

 

 

You can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. / 2005 steve jobs

 

 

今、私たちHALFMOON FURNITURE WORKSHOPが参加している家つくりのプロジェクトが進んでいます。今回はプランや外観のデザイン、内部の仕様や造作家具など、お客様が大切にする部分をヒアリングして建物の設計から家具の提案まで担当させていただいています。施工は茅ヶ崎の松尾建設さん。それぞれの立場でアイディアを出し合いながら、作り上げていく家づくりです。

 

私は高校生のときに、坂茂さんの紙の建築(ルワンダ難民キャンプのプロジェクト)や宮脇檀さんの住宅の考え方に興味を抱き、20代後半まで無我夢中で建築を勉強し、仕事をしていました。その中で、もっと作る現場を見たいという願望が強くなり、30代は家具製作を勉強、いまはHALFMOON FURNITUREとして独立し家具を作っています。

 

建築に興味を持ち始めてから約20年。

遠回りもしましたが、今回このような家つくりのプロジェクトの仕事ができることがとてもとても嬉しく、ありがたい気持ちで取り組ませて頂いています。人との出会いや繫がり、経験は目に見えない宝物ですね。。

 

建築だけをやっていた頃とは違う、色々な経験をしたことで見えてくることがあるという確かな実感があり、昔から頭の片隅にあったスティーブジョブスの言葉を思い出しました。点と点がしっかりとした線になるよう、今後も取り組んでいきます。

 

年明けには工事が始まる予定で計画は進んでいます。ブログにも経過を記載しますので、お楽しみに。

 

kumiko

ウォールナット 丸テーブル

丸テーブル ウォールナット

φ1150  H720  ウォールナット無垢材 オイル仕上げ

 

大野圭一建築設計事務所からのご依頼で、マンションのリフォーム工事に合わせてウォールナット材の丸テーブルを製作させていただいた。今回は建築家大野さんのデザイン案を元に製作方法、強度等を検討し、打ち合わせを重ねて詰めていくという進め方。

 

お客様のご要望は、方向性なく囲める一本脚の丸テーブル。大野さんのデザインの狙いは、モダンな雰囲気にリフォームした内装、インテリアに合うように、できるだけ華奢なシルエットにすること。まずそのコンセプトを理解し、共通の認識としてスタートした。製作の立場として、構造的に成り立たないのはやはり怖い。安全を見て部材を太くするのは簡単だけれど、デザインの狙いを形にするためにはそのギリギリを狙う必要がある。部材を細くするために金物で補強するのか、それとも木工的に処理するのか等、何度も話をしながら細部を検討する。大野さんは細部の形状の模型を作って持ってきてくれたり、こちらで組み立て部分の詳細な施工図を描いたり、細かいイメージを共有していく。最終的には金物を使わない、木工的な方法で強度を保てるギリギリの寸法、組み方で製作することになった。

 

丸テーブル ウォールナット

 

丸テーブル ウォールナット

 

丸テーブル ウォールナット

 

丸テーブル ウォールナット

 

違う立場の人が一緒にものを作り上げる場合、目的を共有し、お互いの立場や経験を尊重つつ、緊張感を持って向き合うことができない限り、決して良い方向には進まない。大前提としてそれぞれが誠実でなければありえない。今回はそれがとても自然な形でできて、僕にとってもとても刺激的な製作になった。

 

takashi

チーク材のダイニングテーブル、ベンチ

チーク ダイニングテーブル

 

チーク ダイニングテーブル

ダイニングテーブル:W1250 x D750 x H700  チーク材 ウレタン塗装

 

 

ある建築家の方からご自宅用のダイニングテーブルとベンチの製作依頼をいただいた。

ご希望のサイズは、ご自宅のダイニング空間の中でのバランスを重視して必要以上の大きさは取らないサイズ設定だった。

最初はウォールナット天板に鉄脚の組み合わせでご検討いただいていたけれど、ご家族で打ち合わせにお越しいただいた時にちょうど製作中だったチーク材のTVボードを気に入っていただき、材料はチークに決定。デザイン的にはチーク材の魅力を最大限活かせるように全て木製、角脚のごくシンプルなデザイン案に変更した。シンプルなものほどほんの少しの寸法設定のミスで野暮ったいものになってしまう。板厚や部材寸法、天板と脚、脚と幕板のチリ等、ミリ単位の細かい寸法バランスに細心の注意を払って設定した。

 

チーク ダイニングテーブル ベンチ

 

引き続きチーク材でTVボードの製作をご検討いただいている。一気に全て揃える必要はないけれど、自分が本当に気に入ったものが日常生活の中に少しずつ増えていくことはとても心地よく、豊かなことだと信じている。一つ一つが繋がっていってくれるよう、丁寧に向き合っていきたい。

 

takashi

 

チーク材のキャビネット

キャビネット

キャビネット:W1550xH850xD425  チーク無垢材+突板 ラッカー仕上げ

 

 

先日納品したTVボードのお客様より、引き続きキャビネットの製作をご依頼頂きました。

お客様との出会いは今年の3月。わたしたちのホームページを見てお問い合わせいただきました。キャビネットをお探しとのことで、既製品で思うサイズのものや仕様がなく、知り合いの方に”オーダーしちゃったら?”とアドバイスされたことがきっかけとのことでした。

わたしたちのような個人の注文家具工房は人目のつかないところで、ひっそりと製作しているため、なかなかわかりにくく、頼みにくい雰囲気もありますが、お客様より直接ホームページから問い合わせやご依頼をいただけるのはとても嬉しいことです。

少しずつではありますが、ホームページや雑誌の記事などで個人のお客様に知っていただけることに感謝しつつ、知っていただく機会をふやす工夫をしなければなぁと思う日々です。

 

 

今回ご依頼頂いたキャビネットはTVボードと同じ、チーク材での製作となりました。

木目を基調としたシンプルな形とし、ハンドルはお客様のご自宅のほかの家具の雰囲気と合うよう、ホワイトブロンズにしています。ここ最近チーク材での製作が続き、だんだんとチーク材の特性を理解すると同時に自然素材ならではの奥深さに改めて驚きます。ガウディの言葉「人は創造しない、自然の中から発見するだけ」... ふと思い出しました。

 

いつもそうですが、製作中はご依頼いただいたお客様の家の風景が頭の片隅にずっとあります。以前、チークの材料を見に行ったときに、キャビネットの扉の木目は縞のあるはっきりとした板目と考えていましたが、設置される部屋の雰囲気を考え、最終的にはもう少し柔らかい木目を選びました。こうやって、お客様の雰囲気に合う家具になるよう製作していくことは楽しい作業です。

 

 

一言に家具といっても色々なものがあり、それぞれに大切な役割を持ちます。

キャビネットはものを収納する機能をもちながら、お部屋に色を添えるものだと思います。

設置したときに、お客様が「なに飾ろうかな。」とおっしゃっていた言葉。好きな絵や写真、お花や陶器を置いたり...想像しただけで楽しくなります。そんな空間つくりのお手伝いができ、製作から納品までとても貴重な時間となりました。

ありがとうございました。

 

kumiko

チーク材のTVボード

TVボード、チーク家具

TVボード:W1750xH485xD460  チーク突板材+無垢材 ラッカー仕上げ 

 

 

チーク材のTVボードを製作させていただきました。

ご依頼いただいたお客様のご自宅は、ダイニングにはナラ材の食器棚やテーブル、椅子。

お客様の好みをお聞きしつつ、そのお部屋とお客様の雰囲気に合うものを暫く考えました。

ナラかウォールナット。。。それともチークか。。。

今回は、TVボードの樹種は「チーク材」をご提案させていただきました。

 

機能を満たした、シンプルなもの。
木目にはこだわりたかったので、今回は材料屋さんの倉庫までチークの材料を選びに行きました。

片っ端から材料をひっくり返し、木取りしていく私たちに、材料屋さんは苦笑しつつも親身になって対応してくれて、今回はとても気に入った木目の材料で製作に取り組むことができました。私たちはお客様のご要望を元に、家具を形にしていきますが、信頼できる材料屋さんや塗装屋さんなど意識の高い、各分野のプロの方たちの協力があってこそ、最終的にお客様の手元に届けられる家具の形になるのだと改めて思います。

 

チーク材

 

 

CDやDVDを収納できる仕様がご希望だったため、左右は引出しで中央はAV機器が入る部分で、引き戸になっています。引出しはCDとDVDが入るよう仕切りを入れ、更に小さな引出しを設け、生活の中で出る雑多なものを収納できる仕様にしました。

 

 

チーク材TVボード

 

生活に寄り添う家具。

置かれた空間に馴染み、少しでも生活空間が魅力的になるお手伝いがこれからもできればと思っています。

 

kumiko

 

 

 

キッチン収納、玄関収納

最初に工房にお越しいただき、ご自宅マンションのリフォーム工事に合わせての造作家具製作のご相談をいただいてから半年近くのプランのやり取りを経て、キッチン背面の収納家具、玄関収納を納品させていただいた。

 

玄関収納 オーダー

 

不思議なことに、ゆっくりとしたペースで時間を置きながらやり取りを進めていくうちに、実際にお会いする回数以上にお客様の大切にされていることが自然に感じられるようになり、お客様にも僕たちの価値観が伝わっているなと感じることがある。

オーダー家具のようにそれぞれのお客様のご要望、用途に合わせて、実体のないものをプランし、作り上げていく場合、お互いの信頼関係が築けるかどうかがとても重要になってくると思う。

そういう意味でも今回は、お客様のご要望と僕たちが良いと思うものがいいバランスで融合できて、この出会いの中でしか出来得ないものになったと実感できる製作になった。

 

キッチン収納

 

玄関収納

 

 

取り付けの日、

家具がやってくるのをとても楽しみにしてくれていたお子さん。取り付け作業中もウキウキした様子だったけれど、

 

作業が終わるまでは待ちきれず、

 

 

寝ちゃった。

 

takashi

Mobile Drawer

現在、開催中のミラノデザインウィーク。super studio内のbudbrandの展示ブースに、茅ヶ崎松尾建設とHALF MOONのコラボレーション作品「Mobile Drawer」を出展しています。

茅ヶ崎松尾建設の多大なご支援のもと、この展示会に出展する機会をいただきました。

 

今年のbudbrandの展示作品テーマは「モバイル(=可動性)」。

このテーマに沿った作品をプラン、製作し、出展するというもの。

昨年末から、松尾建設の青木社長とアイデアを出し合い、打ち合わせを重ねてきた。ラフプランを作り、一つの方向が見え始めたところで煮つまり、立ち止まり、いまひとつ抜け出せないでいた時、青木社長の「引き出し、持ち歩けたら面白いんじゃない?」という一言から一転、一気に走り始めた。

普段家具として使っている引き出しを時にカバンとしてそのまま持ち出せたら、効率的でありながら、ちょっと楽しくなるような可笑しさのあるものになるのではないかというアイデア。それを日本の伝統的な家具で、軽さが一つの特徴である桐たんすの要素と融合し、木製引き出しでありながら、カバンとして持ち歩けるほどの軽さを実現した。

本体形状はカバンとして持った時に体になじむよう曲面にして、さらに持ち運び用の本体天面と底面にヌメ革を貼り、体へのあたりが柔らかくなるようにしている。

引き出しつまみを回すと、両側から金物が出てきて、引き出しが開かないためのストッパーとなり、そこに革ベルトを通して持ち歩くというもの。

 

ミラノサローネ モバイル引き出し

 

ミラノサローネ mobile drawer

 

ミラノサローネ モバイル引き出し

 

ミラノサローネ mobiledrawer

 

ミラノサローネ mobile drawer

 

ミラノサローネ mobile drawer

 

ミラノサローネ mobile drawer

 

今回、工房での製作の都合で、どうしても現地に行くことはできなかったけれど、この機会に多くの人に見て、触れていただければ嬉しい。

 

takashi