言葉のちから

インスタグラムを見るともなく見ていると、子供がうたう歌にどきっとして目が止まった。

 

”ありさんとありさんとこっつんこ。あっちいってちょんちょん こっちきてちょん。”

 

これだけシンプルな言葉で、誰もが知っている光景を浮かばせる。なんという描写力だろう。

 

普段なかなか目が向かなくなっている世界や、思い出すことがなくなっている風景をふと思い起こさせてくれる言葉の表現。

好きだなあ。

 

takashi

高橋昭子展[CLAY WORKS]

                               

 

 

川の探検家のおじさんに出会った。

なぜ彼が探検家だとわかったかというと、首から小さなボートの首飾りを下げて(首飾りとしては大きかったかもしれない)、「ぼくは探検家だ」「今日は漕ぎ出すのに最高の日だ」と外国語でプリントされた、よれよれのTシャツを着ていたからだ。

 

その探検家のおじさんは、毛糸の帽子をかぶって遠くの川を見ていた。たぶん。そこに川はなかったから、本当のところはわからないけれど、たぶん川を眺めていたんだと思う。首からボートを下げていたし、Tシャツには「今日は漕ぎ出すのに最高の日だ」と書いてあったから、僕はそう思った。丸い眼鏡の奥で、優しいような、悲しいような目をして、なんにも言わず、ただ静かに川を眺めていた。

 

おじさんのそんな姿をしばらく見ながら、ぼくは想像していた。おじさんはボートに乗って川を探検したことなんて、本当は一度もないのかもしれないと。いつも探検家のTシャツを着て、一人森を歩いて、川の見えるところまでは来るのだけれど、そこまで来ると足を止め、あの静かな目で川を眺めて、でも川には降りられず、来た道を引き返してしまう。そんなことをもう何十年も繰り返している。

 

探検家ってどんな仕事だろうか、と考えてみる。知らない世界を旅してきて、その世界を物語にして僕たちに話して聞かせてくれる仕事。だとしたら、おじさんはその佇まいとあの眼差しだけで、間違いなく本当の探検家なんだと思う。

 

その姿をしばらく見ていただけで、知らないところを旅をしてきたような、それくらいたくさんの風景を見られたような気がする。

 

takashi

2016 寺家回廊のこと

毎年10月にここ寺家町で開催される「寺家回廊」。

寺家町に点在する工房やアトリエ、ギャラリーが同時に展示を行い、近隣の方や、ものづくりに興味のある多くの方がたに毎年お越しいただいています。イベントの中で、全ての会場を訪れた方の中から抽選で、参加するそれぞれの作家の作品が当たるという企画があります。

 

先週、昨年10月に私たちの作った"木の小物"が当たったという年配の女性が工房を訪れてくれました。

わたしはちょうど不在で、残念ながらお会いすることはできませんでした。。

主人曰く、わたしたちの作ったものが届き「とっても嬉しくって嬉しくって。」お礼にと、保湿用クリームと裁縫に使う針刺を手作りして、奥様にと、わざわざ届けてくださったとのことでしてた。

 

 

日々の作業のことを思い、選んでくれたクリーム。丁寧に作られた針刺し。

とっても暖かな気持ちになりました。大切に使わせて頂きます。

直接お会いし、お礼をいうことができずに残念でしたが、また寺家回廊でお会いできるのを楽しみにしています。

 

一年に一回の寺家回廊。

日々の仕事ではお会いする機会のない人たちとも、色々なことをお話できるこの機会は製作の糧になります。

 

kumiko

 

 

 

 

菊地成孔ペペ・トルメント・アスカラール

久しぶりにblue note tokyoに出かけた。菊地成孔ペペ・トルメント・アスカラールを聴きに。

 

それにしても今月のブルーノートはすごい(少なくとも僕にとっては)。最初はBuikaの公演が1日だけあることを発見、これは絶対に行かなくてはと思ってスケジュール表をなんとなく見ていると、なんとその前日まで3日間Roy Hargrove、翌日からは2日間、菊地成孔ぺぺ・トルメント・アスカラールの公演予定が入っているではないか。。全部行きたい。。でも、連日では記憶が薄まるからBuikaだけにしようと興奮気味の僕に対して妻は、いいよ、とは言いながらもなんとなく覚めた様子。あれ、と思い、よくよく聞いてみると実は菊地成孔を聴きに行きたいのだという。そうかと思う。ぺぺ・トルメント・アスカラールは僕にとっても、数ある菊地成孔のプロジェクトの中でも一番好きなバンド。あっさり予定変更。ぺぺに決めた。

 

僕にとっては二度目、妻にとっては初めてのぺぺ・トルメント・アスカラールのライブ。以前観たオーチャードホールでのライブは素晴らしく音が良かった。11人編成の複雑に絡み合う全ての楽器の音がはっきりと聞こえていたのを覚えている。

今回はブルーノート。狭い会場で見られるのもとても楽しみだった。会場に入ると平日の1st setだったということもあり、菊地成孔のライブとしては珍しく空席が目立っていた。一番安い自由席で予約していたけれど、空席があったのでプラス¥1,000払ってステージ前のアリーナシートへ。

11人がずらりとステージに上がる。このバンドのそうそうたるメンバーの中でも群を抜いた演奏力の持ち主、日本を代表するパーカショニストの大儀見元さんも復帰している。しばらく固定されていなかった(お金がなくて雇えなくなっていたらしい)1st,2ndバイオリン、ビオラ、チェロの4人のストリングスも今回のツアーから再び正規メンバーとして固定されたという。菊地さん曰く、バンドはとてもいい状態だそう。

 

一曲目からすっかり引き込まれていた。曲目は「南米のエリザベステイラー」以降4枚のアルバムからの抜粋。聴きたいところが次々と演奏された。

それにしても菊地成孔は日本人のジャズミュージシャンとして、世界のどんな巨匠たちと並んでも引けを取らない唯一無二の魅力を持った稀有な存在だと思う。決して世界の一流とは言えない彼自身のサックスの演奏力や歌唱力さえも魅力的に感じさせるほどの独自の世界観を表現できる作曲、構成、アレンジ力、アイデア。世界中の音楽の要素を日本人として取り込み、緻密に作りこんでまとめ上げたクオリティの高さ。全ての楽器の魅力がそれぞれ活かされながら一つの世界が作り上げられている。

ラテンのリズムを生み出す2人のパーカッショニストの目の前でクラシック出身の弦楽四重奏団が演奏していて、それらがどちらかのカテゴリーに寄るというのではなく、全く別次元で融合しているバンドなんて世界中探しても他に無いのではないかと思う。

アンコールを含めて1時間半ぐらいだっただろうか、終始、聴き惚れ、見惚れ、心から思った。格好良い。

 

takashi

 

凍る

今朝の工房はキリッとした寒さだった。

 

コーヒーを淹れようと、水道をひねる。

出ない。

おお、

凍ってる。

 

これまで寒さが今ひとつ物足りなかっただけに少し嬉しくなった。

そういえばと思い、池を覗く。

 

 

 

やっぱり。凍っていた。この冬初だ。

いつものように小石を投げてみる。

ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょっぴょっぴょっ。

凍った池全体が共鳴するような心地よい音。

 

ふと思う。この氷結構厚いんじゃないか。乗ってみたい。

池に降りて日にあたっていないところを選んで片足を踏み込んでみる。いけるかも。

体重を乗せてみた。

 

バシャっ

 

嵌った。冷たい。こんなに簡単に割れるとは。。

もう少し寒い日が続いたらもう一度試してみようと思う。

 

takashi

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

旧年中の多くの素敵な出会いに感謝致します。

 

思えば昨年あたりからようやく私たちも、日々の製作の合間に映画を観に行ったり、展覧会に出かけたり、休日に本屋さんやレコード屋さんを物色したり、という時間が持てるようになってきたように思います。今年もそういった時間を大切に、日々様々な感覚を磨きつつ、家具製作に活かし、half moonの世界を創り上げて行けるよう努力していきたいと思っております。

 

毎月第四日曜日のオープン工房も続けていきますので、是非お立ち寄りいただければ幸いです。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

小栗 崇/久美子

表現していくこと。

『木と土』のやじろべぇ

 

 

 

 

 

遠い過去の記憶、どこか懐かしい感覚。。。

 

 

そういうものを想像しながら、「木と土」で出来上がったもの。

 

 

 

自然のものが持つ柔らかさ。手で作られた優しさ。どこか日本らしいもの。

 

そんなぽてっとしたもの。

これから色々なことを試しながら、表現していきたいと思います。

 

kumiko

 

温かい緊張感

目黒の金柑画廊で広瀬良二作品展「平行線の交叉する処」を見た。

 

作品はワイヤーを使った立体と、古い本を破った紙に描かれたドローイング。

どの作品も緊張感のある繊細な線がとても印象的。それなのにどことなく温かい安心感を感じる。
                                                             
作家の広瀬良二さんの佇まいがまた格好いい。飾り気のない穏やかな優しさが鋭さを包み込んでいるような柔らかい雰囲気。
(大変失礼ながら最初、その方が広瀬さんとは気付かず、画廊のおじさんかと思ってしまった。。)
自然体で自分の思うものを純粋に追求してきた結果が、もしくはそのプロセスが「今」ということなのかな。
                                                              
とにかく、作品も作家さんご自身もとても格好良いです。
金柑画廊での作品展は今日が最終日でしたが、どこかで名前を見つけた際は是非。
お勧めです。
                                                             
takashi

フィジー

リオデジャネイロで勝ち取ったフィジーの歴史的な金メダル。それを持ち帰った選手たちの姿がなんとなく目に浮かぶ。

それぞれ出身の村にメダルを持ち帰る。僕が住んでいたレケティ地区のように未だに電気が通っていない村の出身選手もいるだろう。
村に帰るとまず酋長の家に報告に行く。表ではピオとかサイモネとかセミシとか、そういった名前の若者たちが一頭の牛を潰し、きれいに解体してゆく。女性たちは地べたに座り込んで大声で談笑しながら、やしの実を削ったり、掘ってきたタロイモを洗ったり、のんびり料理の準備をすすめている。
日が暮れると村中の男たちが酋長の家に集まってきて、ランタンの火を囲み、カバを囲んでパーティが始まる。金メダルはいろんな人たちの手に渡り、みんなが酔っ払い始めた頃には首掛けリボンは村人たちの手垢で真っ黒になっている。大人が一通り触った後は子供たちの番だ。1人の子が首から提げて外に走り出る。それを大勢の子供たちが追いかけまわし、いつの間にか2チームに分かれた子供たちはメダルをボール代わりにラグビーの試合を始めてしまう始末。真っ暗闇を裸足で走る子供たちの声が響き渡り、興奮した犬たちまでもが一緒になって走り回っている。頭上には天の川がくっきりと見えている。
ようやく選手のもとに戻ってきたときには、メダルは泥だらけ、リボンの輪っかは根元でちぎれて一本の長い汚い紐、というありさま。大人たちは(本人さえも)それを見て笑い転げている。こんな感じでそのうち無くしちゃうんだろうなあ。                                                                                      
そんなことを想像しながらつくづくよかったな、と思う。                                                                                                            
takashi

マルシェ準備

明日のマルシェのための準備をしていたら。。。もうこんな時間。。。

今回は ”折りたたみスツール” や ”モビール” を新たに製作しました。

 

このマルシェでは時々いや、もっとかな。”特価”で小物やスツールを販売しています。

 

フォールディングスツール 折りたたみスツール

 

本革とオーク材のスツール。玄関に置いて、靴を履くのにとってもよい感じだと思います。

折り畳めるので気軽に持ち運び出来ます。運動会などでも活躍しそうです。

 

kumiko